ユリの花がいちばん好き!蓬莱の女将
熱海の蓬莱別館”ヴィラ・デル・ソル”へ行った時のこと。
応接間に通されて、暖炉の前・・・
知らず知らず顔をナナメ45度にあげて、息を思いきり吸ってパタッと立ち止まった(・・・というより、足が勝手に止まった)
白い大輪・カサブランカリリーが、暖炉上の大鏡前にうやうやしくガラス器にいけられて鎮座ましましていた。
そんなワタシを見つけて、蓬莱伝説の女将古谷青遊さんが「オホホホホッ!あなたも?私も百合が一番好きなのよぉ。」
多分、岸田今日子ばりにこんな感じで・・・微笑みながら玉を転がすようにコロコロと笑ったと記憶している。
それから・・・ワタシも百合が一番大好きになった(笑)
昼には、清楚で可憐なしろい百合の香り。
夜には、かぐわしく淫靡な奥行きある百合の香り。
花弁が大きいのに、スックとした茎の潔さまで・・・
姿かたちから香りまで見事に魅せる姿勢、感服するしかない。
家には、どんな時も生花を絶やさないことを旨としているが、何かの節目、来客時、気分を変えたい時、やはりしらずしらず百合を選んでいる自分がいる。
ズックと潔い蓬莱の女将に、その姿を重ねているからかもしれない。