“わびさび”と”粋”を極めた水無月の料理/石葉・湯河原
いわゆる”華美”だったり”豪奢”は、本来プラスの美学(美意識)だと思うけれど、
“わびさび””粋(いき)”は、マイナスの美学(美意識)なんだなぁ~と、視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚・・・
今の自分が持ちえる「五感」をフル稼働して感じていることがわかった。
これこそ!石葉の料理なんだと再認識した水無月の夜。
※補足
わび・さび(侘・寂)とは?質素で静かなもの。 侘(わび)と寂(さび)は本来別概念ですが、昨今ひとまとめに語られることが多い。
侘(わび)とは、動詞「わぶ」の名詞形。その意味は形容詞「わびしい」から容易に理解されるように 「立派な状態に対する劣った状態」となる。「粗末」「簡素」を意味している。 本来は良い概念ではなかったが、禅宗の影響で積極的に評価されて日本人の美意識にとりこまれていった。 美意識を表す概念として名詞形で用いたのは、江戸時代茶の湯から・・・ 単に粗末であるというだけでなく質的に(美意識的に)優れたものであることを求めるようになった。 茶道の根本美意識と位置付けられるようになって、「正直につつしみおごらぬ様」と規定された。
寂(さび)とは、時間の経過によって劣化した様子(経年変化)、人がいなくなって静かな状態を表す。 本来は良い概念ではなかったが、徒然草などに古くなった冊子を味わい深いと見る記述があり、 古びた様子に美を見出す意識が生まれていたことが確認される。 このようにより自然そのものの作用=古びた様子に美を見出すこと=骨董趣味と関連が深い。
粋(いき)とは、江戸時代の美意識(美的概念)のひとつ。 身なりや振る舞いが洗練されていて、格好よいと感じられること。 また、人情に通じていること、遊び方を知っていることなどの意味も含む。 「さっぱり」「すっきり」などという形容が当てはまる。反対語は野暮(やぼ)。